東京高等裁判所 平成3年(ネ)29号 判決
ところで、給付の確定判決が存在する場合でも、右判決の目的である債権の消滅時効を中断するために他に簡易な方法を欠き、訴を提起するほかにその目的を達し得ないときは、時効中断のため再訴を提起する利益があると解するのが相当である。
これを本件についてみるに、右認定事実によれば、被控訴人は、判決手続よりも簡易な方法である動産の差押等の強制執行手続をとることによって、容易に本件確定判決の目的である手形債権の消滅時効の中断をなし得たのに(動産の差押については、差押手続を開始した以上、差押えるべき物がないために執行不能に終っても、時効中断の効力がある)、これをなさないで本件訴を提起したものと認められるから、右訴はその利益を欠くものというべきである。
(時岡 大谷 板垣)